■ backpack art - by FLOT
■ christmas tale #3 - by mya-a.
「とっりさーーーんっ!」 くまっこが、ドアを開けて、飛び込んできました。 「・・・んが」居睡りしてた、とりさんは、「なんだ、騒々しい・・・」と目をこすりました。 「あのねあのね、すてきなお花が、手に入るって!!」 くまっこは、手にした新聞をぶんぶんと振り回しました。 「はな?」 「なんかね、新しい種がでたんだって!!」 くまっこは、目をキラキラさせてます。とりさんは、「ふああ」とあくびをしました。 「そんなもん、さると、いってこんか・・・ああ」 とりさんは、目をショボショボさせて、「そっかそっか」とつぶやいて、「どっこらしょ」と腰をあげて、「Vas Rel Por」と呪文を唱えて、ゲートを開きました。 |
「ほら、いくぞ」とりさんは、ゲートをくぐっていってしまいました・・・くまっこは、慌てて後を追いかけました。ゲートの外は沼地が広がっていました。 「種といったら、アレだな」と、とりさんは大きな木の根っこのようなモンスターを指しましたが・・・他にもたくさんのモンスターがいて、くまっこたちをにらんでいます! くまっこは、「と、とりさん・・・どうしよう、うわーん」と逃げて身を守るのに精一杯です。 「ん。倒すから、倒したのから、探しなさい」と、とりさんは、モンスターをひたすら倒し始めました。くまっこは、逃げながらも、なんとか探しました・・・「あった!青いのもあるし!!わーい」と種をいくつか手に入れたのでした。 「んじゃ、そろそろええか」とりさんは、またゲートを開きました。 くぐると、今度は街です。 「植木鉢を買わないとな」とりさんは、道具屋にくまっこをつれていきました。 「これに種をうえるの?」と、くまっこは、しげしげと植木鉢を眺めてます。 「くまっこ・・・もしかして、育てたことないのか?」 「なーい!前におねーさんが育てたの、見たことあるけど・・・確か、お水とお薬、あげてた」「・・・そぉか。とりあえず土をいれて、うえるとこまで、やっとこか」 「はーい!」 水を入れるピッチャーも買ってから、またゲートで移動です。 「向こうに花畑が・・・」とりさんの説明を聞かずに、「わー」といいながら、くまっこは、走っていきました。 |
柵に囲まれた花畑にはカカシさんがいて、きれいな花が咲いています。 「そこが銀行で、厩舎で・・・便利なところだろう」 「きれーい」 くまっこの目にはお花しか、はいってません。 「ねぇねぇ、こんなきれいなお花、咲くかなぁ」 「・・・ん。くまっこが、ちゃんと世話してやればな」 「がんばるよ!!カカシさんも応援してね!」 「じゃ、そこのあいてるところから、土をもらいなさい」 「はーい」 それから植木鉢に土をいれて、お水をいれて土をやわらかくしてから、種をうえたのでした。 「薬はあるか?」 「うん。おねーさんがくれた荷物の中にあったから、大丈夫。じゃ、とりさんの家に帰ろ!!」 「やれやれ。疲れたな。帰るとするか」とりさんは、ゲートを開きました。 くまっこは、とりさんの家に着くと、植木鉢を並べ始めました。 「・・・くまっこ。なんでウチに植木鉢を置くんだい?」 「ウチは、さるっこと、おねーさんの荷物でいっぱいなんだもん。ねぇ、青い種は青い花が咲くのかな?いいこと、あるといいなー・・・」 |
それから数日後。 「とりさぁぁぁぁぁぁっん」 くまっこが、ドアを開けて、飛び込んできました。 「・・・ふああああ」うとうとしてた、とりさんは、仕方なさそうに目を開けました。 「どした?」 「植木鉢に土しか残ってないよ!まだお花が咲いていないのに、いなくなったよ!!」 とりさんは、くまっこと一緒に、植木鉢を見に行きました。 「こりゃー、枯れたんだな。ちゃんと世話したのか?」 「したよ!お水あげて、お薬・・・よくわかんなかったけど・・・いっぱいあげたし!」 「ババアには聞いたのか?」 「・・・ううん。忙しいだろうし」 くまっこは、うつむきました。 「でもでも、まだ元気なのもあるし、大丈夫!!がんばるよ!!」 くまっこは、はりきりました。 |
でもさらに、数日後。 「とりさぁぁぁぁぁぁん」 くまっこが、ドアを開けて、飛び込んできました。 「・・・ふああああ」うとうとしてた、とりさんは、仕方なさそうに目を開けました。 「どした?」 「お花がお花が、お花じゃなくて、大きな葉っぱになったよ!!新聞と全然違うし!!」 とりさんは、くまっこと一緒に、植木鉢を見に行きました。 「とりさんとりさん、がんばったら、これにお花が咲くのかなぁ?」 「いや。こりゃ、こーいう種類なんだろ」 「えええ!?これじゃ、使えないよ・・・・・」 くまっこは涙目です。 「くまっこは、なんでまた、花がほしいんだい?」 |
「・・・ん。もうすぐ、クリスマスだし・・・」 「もう、そんな時期か・・・月日がたつのは早いなぁ」 とりさんは遠い目になりました。 「・・・でね、クリスマス前に咲く、ホリデイツリーって、1月には枯れちゃうから・・・自分でホリデイツリーをつくれば、ずっとずっと枯れないよね。お花があればつくれるかなぁって」 「そぉか・・・確かルーンが・・・」とりさんは、ごそごそと探して、ゲートを開きました。 くぐった先は、たくさんの店員さんがいる、お店でした。 「ここで好きなだけ、買いなさい」 とりさんは、くまっこにお金を渡しました。 「わーい、ありがとぉ!わわ、たくさん売ってる!!どれにしよう・・・これとこれと・・・」 くまっこは、たくさんのお花をかかえて、とてもとても幸せでした。 それから数日後。 「メリークリスマスっ!!」と叫びながら、くまっこが、ドアを開けて、飛び込んできました。 「・・・んが!」居睡りしてた、とりさんは、飛び起きました。 「今日だったか?!」 「今日です!!」 「すっかり忘れてたなぁ・・・」とりさんは、頭をポリポリとかきました。 「ウチにおいでよ!ケーキも焼けるし!」 「そかそか。じゃ、お邪魔するかな」 「わーい!!」 くまっこと、とりさんは、二人でくまっこの家に行きました。 「お?ツリーがいっぱいだなぁ〜・・・」 「うん!とりさんが、お花を買ってくれたおかげです!麻の花がね、いいかんじで・・・」 「麻?麻の花!!本当だ、この青い花・・・なつかしいなぁ・・・」 「なつかしい?」 「・・・パプアの宿屋の中庭に植えられててなぁ・・・ミナクスの砦が、昔、あってな・・・いろいろあったなぁ・・・」 とりさんはすっかり、遠い目になっています。 「あ。ケーキ焼けるよ!ささ、中に入って、席に座って!!」 「・・・あぁ、そうだな・・・・・」 とりさんは、くまっこにひっぱられるように、家の中に入りました。 テーブルにはフルーツや豚の丸焼きが、すでに並んでいました。 「おお、ご馳走だなー。あいつらも帰ってくるのか?」 「おねーさんと、さるっこ?」 「おう。二人ぶんにしては多いだろ?」 「・・・連絡ないし・・・向こうにもクリスマス、あるだろうし・・・」 くまっこは、春ごろのことを思い出しました。 退屈とぼやいていた、さるっこと、おねーさんが、新しい世界を見つけたといって、はしゃぎはじめて・・・知らない名前ばかりを口にするようになって・・・新しい世界で暮らすから、とたくさんの荷物を、くまっこにくれた日のこと・・・・・・。 「くまっこ、ケーキ、焦げるんじゃないか?」 くまっこは、はっとしました。 「ああ、大変!ぼんやりしちゃった・・・ケーキ、大丈夫だよ、よかった。あと、そうそう、やさぐれサンタさんがくるよ」 |
「やさぐれ!?パンダじゃないのか?」 「サンタなんだってー」 「また酒飲むんじゃ・・・」 そのとき、ドアが開いて、やさぐれパンダが入ってきました。 「メリー・やさぐれ〜!聞こえたわよぉ。お祝いには、お酒がつきものよー!今夜は特別に9周年ワインに、倭国名産、血桜よ!!さー、ぱーっといくわよー!」 「わーい!」 「おいおい、飲みすぎるなよ?!」 そしてクリスマスは、にぎやかに過ぎたのでした。 それから数日後。 とりさんは、新聞や本を調べていました。 「よし!」とつぶやいてから、Kal Ort Porと呪文を唱えました。 くまっこの家につくと、「くまっこ!」と声をかけました。 「なぁに?」と、くまっこは返事をしました。 家の中はクリスマスの飾りのままでした。 「・・・クリスマスのままだなぁ」 「うん。さるっこ、夢中になると、忘れちゃうから・・・だからホリディツリー、つくったの。これならいつでもお祝いできるもん」 「いつでも祝うものなのか?!」 「だって、毎年クリスマスって、悩んだり泣いたりしてて、ちゃんとクリスマスのお祝いしてなかったし!今年はがんばるの!!」 「・・・そぉなのか・・・」 「うん!で、どうしたの?」 「ああ、麻の花の種を、手に入れる方法がわかったんだ」 「ツリーは足りてるよ?」 「いや、ウチに飾るんだ。昔、パプアの宿屋で、もし麻の花が手に入ったら、家が青くなるぐらい飾りたいと・・・憧れてたことを、思い出してなぁ・・・」 「とりさんち、青くするの!?」 「うむ。くまっこ、手伝ってくれないか?」 「もっちろーん!」 「よし!・・・では、Vas Rel Por」と呪文を唱えて、ゲートを開いたのでした。 そして、たくさんの種を手に入れて、とりさんの家に植えたのでした。 疲れた二人は、「おなか、へったー!」と、くまっこの家に戻りました。 すると、家の中に誰かいます。 |
中に入ると、さるっこと、おねーさんがくつろいでいました。 「わー、くまっこ、元気にしてた?」 「なんだかなつかしいのぉ」 くまっこととりさんは、びっくりです! 「さるっこ!?」 「ばばぁ!?」 「ばばぁじゃないわー・・・・あり、火の玉はどうやるんだったかの・・・久々だと、どーも調子がでないわい」 「歩いてるだけで、ころびそうだしね!」 「歳のせいかのぉ。くまっこ、ケーキの仕込みはしてるかい?久々に、わしも焼いてみたいの」 「あ、いいな!久々に、どっか遊びに行きたい!」 「それもええのぉ〜。くまっこと、どこに行ってきたんじゃ?」 「新しい花の種を集めにな」とりさんが答えました。 「新しいの?!どんな花?」さるっこは、目をキラキラさせてます。 「んと、そこのツリーの青いのが・・・」くまっこが、指しました。 「わー。いいな!」 「ほほー。これが・・・」と、さるっことおねーさんは、ツリーを眺めてます。 「・・・とりあえず、向こうはどうした?」とりさんが聞きました。 「向こうにもいるけど、なんだか帰りたくなったから、帰ってきたの!!」 「久々に帰ってくると、あたりまえだったことが、なんだか新鮮だのぉ・・・くまっこ?」 「うん!おねーさん、ケーキ焼いて!!クリスマスやろーよ!」 「ほほほ。そうじゃの。これまた、ちっこい、オーブンだの」 「わーい、アップルパイも!クッキーも!!」さるっこも大喜びです。 「あと、ばばぁ、ウチで花を育てるんでな、くまっこに、世話を教えてやってくれないか?」 「自分でやらんかい!」 「おねーさん、あのねあのね、このあいだね、失敗しちゃって・・・」 そしてにぎやかに、クリスマスのお祝いができたのでした。 |
■あとがき。。。 mya-a. ラストのホリデイツリーのバックパックアートが、ホントに綺麗です! 実は、クリスマスに、さるっこと、おねーさんが帰ってくる話もあったりします。 でも、とりさんが元気に麻の花を探しに行く、こっちのラストのほうが気に入ってます。元気になるのはよいことです! あと、パプアの宿屋の麻の花は実在します。 宿屋の建物自体も素敵ですし、機会があったら探してみてください! |
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