■ house files =tree=
彼女はずっと想っていた恋人と結婚し、とても幸せだった。 でも、彼女の幸せは長くは続かなかった。 彼女の旦那は傭兵だった。 そのころ戦はあちらこちらで起き、腕のいい傭兵だった旦那はそのたびに戦に呼ばれ、出かけていった。 彼女はそんな旦那を誇りに思い、戦へ向かう旦那の姿が大好きだった。 だけど、彼女はつらくてたまらなかった。 戦に出た旦那の帰りを待つ間、彼女は不安でたまらなかった。 旦那の生死、怪我・・・そして、旦那の浮気を。 彼女は自分の中の醜い気持ちを嫌悪したが、どうしても消すことができなかった。 そんなときに彼女は、昔、聞いた神話を思い出した。 汚れのない一人の少女に、ある男性神が恋をした。男性神に追われた少女は父である神に祈った。 「どうか私を汚れのないままにしてください」 神は願いを聞き届け、少女を樹に変えた。 男性神は泣き悲しんだが、少女は戻らなかった。 彼女は、もう自分は汚れてしまったけど、ただ純粋に旦那のことを想っていたい・・・純粋に、疑うことを知らずに。ただ、待っていられるように樹になりたいと願うようになった。 そして願いは叶えられた。 ある戦を終え、旦那が家に帰ると、深緑の髪をした彼女がいた。 彼女は人であったころと変わらずに旦那を愛し、尽くした。 しかし、旦那は彼女に怯えた。 旦那は次の戦に出たあと、彼女の元へ戻ることはなかった。 月日が流れるとともに、彼女は樹に近づいていき、動けなくなっていった。 そして百年が過ぎたとき、彼女は樹になり、人に戻ることはなかった。 |
■ comment
Studio Milano(閉鎖)マガジン第106号に掲載され、Expertをいただきました。 内装は、この話の最後の時点という設定で、彼女は木になってしまい、家は荒れはじめたけど、まだ生活していたころの名残は残っている・・・というかんじです。 この「tree」という話は、自分で去年の夏に書きました。 UOにハマる前はテキスト系サイトを作ってました(閉鎖済)。 たまには更新しないとなぁ、と見ていたら発見して、自分のUOライフを振り返るとかなりイタイ話だったりするのですが、この家でこの話をテーマに内装やったらおもろいだろーなーと思いまして、作っちゃいました。 あと、この家の内装はこれが最後の作品となりました。 Studio Milanoアドバイス修正バージョンとか作らなくてごめんなさい>_< 今後の内装ライフのアドバイスということで・・・(大汗) 『自分が表現するものが人に対して何であるのか』(by Studio Milano) ・・・深いです・・・*クラクラ* |
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